華足寺とは

宮城県登米市東和町米川にある真言宗の古寺。奥州三十三観音の十五番札所。
征夷代将軍坂上田村麻呂が大同2年(807)、敵・味方の戦争犠牲者の迷魂を鎮撫する為に建立したと伝えられる。本尊は馬頭観世音。動物燐憫の守護仏で、馬の霊場としては日本最古。
人々の暮らしに馬が身近だった頃には、春季例大祭に数百・数千の馬と人が参拝に訪れたという。
華足寺を擁する地域は『鱒淵』と呼ばれ、『馬仏首』の意味である。近くには『馬の足』という地名もあり、坂上田村麻呂の馬の足跡と伝えられる跡の残る岩がある。


山門(宮城県有形文化財)



『登米郡米川村誌』(昭和三十年発行)より
三月十九日
馬頭観世音の春祭りで、前日からお夜ごもりをする参詣人で町の後藤旅館・切明屋・立花屋等各旅館は満員で、縁故や、農家にも宿つた例もあり、尚馬宿として掛け馬屋を造つていた所もあつた。お山は爛漫の桜と、老杉古松の中から梵鐘の響き・祈祷太鼓の音・馬の嘶く声・茶屋掛け・見せ物・からくり店等の雑踏で賑やかで全山が動揺する様であつた。荒れ狂う馬の危険で遠方からは血気盛んな参詣人が多かつた。地元の人達は笹の葉や、お絵馬、お守札等のお土産売り、茶屋掛けで前後数日もかゝつた。怪我人も毎年出て戸板で担がれて帰る者もあつた。遠くは岩手県・南部青森方面、南は福島県相馬・三春等の馬産地からも参詣人が雲集した。春祭りには最も参拝人が多かつたが、今は馬の参詣は少なくなつた。


0 件のコメント:

コメントを投稿